ももやまエイサー

History

エイサーについて

〜沖縄の魂が息づく、伝統の舞と音。〜

History

エイサーの歴史

 エイサーの起源は不明であり、いくつかの説があります。その歴史は 500年以上前の1479年の『李朝実録』のなかに記録が見える。古琉球時代(1429~1609年)の終わりごろに本土から念仏踊りとともに浄土宗の法然という僧によって教えが伝わったとされている説がある。その一方で、伊波普猷:沖縄学の先駆者(明治~昭和初期にかけて活躍した沖縄出身の民俗学者・思想家)による記録(本島南部)からすると『おもろさうし』第 14巻「いろいろのゑさおもろ(古謡・神歌)」によるとエイサーの起源は、 尚永王・尚寧王時代(1573~1602年)にエイサー大会等などでエイサーのことが紹介され、エイサー演舞中の「エイサー、エイサー、ヒヤルガエイサー」の囃子(ヘーシ)のことも触れられているが、どちらも確証はありません。

 エイサーの歴史~現代まで、【17世紀頃】念仏踊り(浄土宗)が沖縄に伝来、【18世紀頃】旧盆など宗教的な供養行事として根づき、【19世紀以降】沖縄本島の中部地区(現:沖縄市)で念仏踊り(エイサー)が遊芸化・娯楽化・民俗芸能化していく、【明治~昭和】『似せ念仏=パフォーマンス』として太鼓や囃子(ヘーシ)をともないエイサーの側面が強まり芸能として定着、【昭和~令和】、各青年会がより華やかな演出、衣装、隊列構成を工夫するようになり、女性の参加や観客向けのパフォーマンス要素も拡大している。

エイサーとは?

本土の盆踊りにあたり、エイサーとは沖縄諸島の伝統的な盆踊りである。
盆踊りといっても沖縄では祖先信仰が根強く、旧暦(旧盆)7月13日~15 日の3日間に
『祖先の霊を迎え、送り出す』習慣があります。
この祖先供養と念仏踊りが結びつき、「盆踊り」的な性格をもつ独自の行事である。
各地域の青年たちが集まって、家々を賑やかに踊り通過し、
先祖の霊を供養する伝統行事を「道ジュネー」という。

道ジュネーとは

道ジュネー(旧盆の行事)の日程と内容は下記のとおり

・旧盆7月13日(御迎え:ウンケー)ご先祖様を迎える日
・旧盆7月14日(中日:ナカビー)先祖と共に過ごす日
・旧盆7月15日(御送い:ウークイ)ご先祖様をお見送りする日

※旧盆の行事を「道ジュネー」と呼び、太鼓の音と三線(歌声)が響き渡り、集落を踊り練り歩くことである。現在では、この道ジュネーの際に各戸から寄付金が寄せられ青年会活動の大事な資金源となっている。

エイサーの主な特徴

 エイサーを一言で表現すると夏の風物詩である。旧暦(旧盆)の約1~3ヶ月前から各地域の公民館に青年団が集いエイサーの稽古が行われる。三線や太鼓、パーランクーなど囃子(ヘーシ)と共に風に乗って聞こえてくる。
 各イベントを通して変化したことといえば、先祖供養(念仏踊り)で踊られていたエイサーだが、現在では結婚式や成年祝いなどの、お祝いの席でも披露されるようになったもの だ。昔はそのような場でエイサーを披露しようものなら、ご年配の方々から「お祝いの席で念仏踊りを披露するなんてけしからん」と怒り出す人もいたのです。
 もともとエイサーは、旧盆のウークイ(ご先祖様の霊を送る日)に行われる宗教的な念仏踊りでした。太平洋戦争後(1945~1950年代)沖縄社会の復興とともに、地域行事としてエイサーが再開されました。このころから娯楽性・芸能性が強まり始め、宗教色が徐々に薄れ始めます。エイサーは、さまざまな世代に愛され1956年沖縄市(旧:コザ市)で始まった「第1回 全島エイサーコンクール(コザ小学校)」をきっかけに、より華 やかで魅せる芸能へと進化し各沖縄県内(県外含む)でさまざまなイベント・お祭りが開催されている「ももやまエイサーまつり」もその一つである。

沖縄市のエイサー基本隊列

出典:沖縄全島エイサーまつり実行委員会

エイサーの演者/役割

旗頭(はたがしら)

エイサーを象徴する存在であり、先頭で大きな旗を掲げ、祭りや地域のシンボルとして踊りを先導します。

大太鼓(うふでーく)

大太鼓の音は低く重みのある音で、三線の音と全体のリズムを捉える重要な役割である。また、全体の統率を担うため経験と体力が必要である。

締太鼓(しめでーく)

片手で持ちながらダイナミックに踊り、大太鼓に比べ高音の響きが特徴。リズムにアクセントを加え、エイサーの魅力を引き立てる役割である。

サナジャー(チョンダラ~)

白塗りの化粧と奇抜な衣装で観客を盛り上げます。観客だけではなく歌や掛け声で踊り手を盛り上げ、演舞中もエイサーの隊列を整えたり、衣装の乱れやバチを落とした場合の対処なども担う重要な役割を担います。

女手踊り(いなぐもーい)

男踊りとは対照的で、女性のしなやかな動きは踊りに華を添えてくれます。衣装は絣の着物を着て、タスキをかけ、島ぞうりを履いて踊ることが一般的です。手先の緩やかな動きにも注目です。

男手踊り

エイサーの所作の基本であり、全体の流れを把握し演舞を支える役割を担います。力強く迫力のある動きが特徴で、エイサーの力強さと活気を象徴します。

地謡(じかた)

地謡は三線を演奏しながら唄うことでエイサーの音楽を奏でる重要で欠かせない存在です。三線の音色と唄声は、踊り手たちの動きを導きエイサーの雰囲気を決定づけます。

エイサーの見所

 エイサーの見所は、地域や団体ごとに特色があります。共通してエイサーは、三線の音色や囃子(ヘーシ)に合わせて、大太鼓・締太鼓・手踊り、またやパーランクーが一体となって演舞されます。特に太鼓の力強い響きと、それに呼応する踊り手の動きが観客の心を揺さぶります。

 沖縄独自の音楽や歌がエイサーの魅力であり、懐かしさや郷愁を感じる旋律に乗せて演舞され、年配層から若者までの心をつかみます。また、地元の若者たちが一丸となって練習して披露します。その姿からは地域の絆、誇り、エネルギーが伝わり、「地域愛」がにじみ出ています。エイサーは夜に行われることが多く、提灯や照明の中で繰り広げられる 演舞は幻想的。光と音と動きの一体感が特別な空間を生み出します。

 沖縄の夏はエイサーの花飾りであり沖縄諸島の旧盆はもちろんのこと、各地のエイサーまつりや夏祭り、観光イベントなど「人の集まるところにエイサーあり」とでも言える。沖縄県外(国外)の土地から来た者にとって驚くべき光景が沖縄の夏には展開されているのである。

出典:沖縄全島エイサーまつり実行委員会

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